Pythonでmatch文によるパターンマッチング (Python 3.10以降)

Python 3.10以降で導入されたmatch文によるパターンマッチングの解説です。match文の構文、基本的な使い方、タプルやリスト、辞書などのデータ構造への適用方法、そして実践的な例を通して理解を深めます。

match文の基本構文

match文の基本的な構文はcase文で構成され、条件式と実行する処理を記述します。

status_code = 200

match status_code:
    case 200:
        print("Success!")
    case 404:
        print("Not Found")
    case 500:
        print("Internal Server Error")
    case _:
        print("Other error")

上記の例では、status_codeの値に応じて異なる処理が実行されます。'_' はワイルドカードパターンで、どのcaseにもマッチしない場合に実行されます。

リテラルパターン

リテラルパターンは、特定の値と比較します。

point = (1, 2)

match point:
    case (1, 2):
        print("Point is (1, 2)")
    case (0, 0):
        print("Point is (0, 0)")
    case _: 
        print("Other point")

タプルやリストなど、複数の値を持つデータ構造にも使用できます。

変数パターン

変数パターンは、値を任意の変数に束縛します。

data = 10

match data:
    case x:
        print(f"The value is: {x}")

変数パターンを使用すると、値を変数に格納して、後続の処理で使用できます。

ワイルドカードパターン

ワイルドカードパターン '_' は、任意の値にマッチします。

data = 20

match data:
    case 10:
        print("data is 10")
    case _:
        print("data is not 10")

エラー処理やデフォルトの動作を定義する際に便利です。

シーケンスパターン

シーケンスパターンは、タプルやリストなどのシーケンスデータとマッチします。

data = [1, 2, 3]

match data:
    case [1, 2, x]:
        print(f"The third element is: {x}")
    case [x, y, z]:
        print(f"The elements are: {x}, {y}, {z}")
    case _: 
        print("Other sequence")

要素の数や、特定の要素の値を指定してマッチングできます。

マッピングパターン

マッピングパターンは、辞書などのマッピングデータとマッチします。

data = {"name": "Alice", "age": 30}

match data:
    case {"name": name, "age": age}:
        print(f"Name: {name}, Age: {age}")
    case _: 
        print("Other mapping")

キーと値を指定してマッチングできます。

ガード節付きパターン

ガード節は、パターンマッチに加えて、追加の条件式を指定できます。

point = (3, 4)

match point:
    case (x, y) if x * x + y * y == 25:
        print("Point is on the circle")
    case (x, y):
        print(f"Point is ({x}, {y})")

条件式がTrueの場合にのみマッチします。

実践的な例

より複雑なデータ構造や、複数の条件を組み合わせたパターンマッチングの例を示します。

data = ["apple", 10, {"color": "red"}]

match data:
    case [fruit, count, {"color": color}] if count > 5:
        print(f"We have {count} {fruit}s, and their color is {color}")
    case _: 
        print("Other data")

パターンマッチングは、データの構造や内容に基づいて、柔軟で可読性の高いコードを書くのに役立ちます。

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